
先々週は皿ケ嶺でクルリンパとカールした可愛らしいアクシバを探しに出かけてみた。そして先週はシーズンインとなった剣山のキレンゲショウマを見てきた。さてさて今週はと考えていたら、アカリプタさんが活動日記にアップしていた花に目が留まった。
淡紅色の直立した唇形の花に目玉が二つの可愛いオバケのような花のヤマジオウ。さっそく西の奥様に写真を送ると、即『見てみたい!』と返事が返ってきた。そしてもうひとつそのヤマジオウとうりふたつに見えるマネキグサ。写真では少し色目が濃いような気がするが、実際に違いを見てみたい。
ただどこに咲いているかが分らないので、アカリプタさんにメッセージを送って尋ねたら、詳しく場所を教えてくれた。その他にも私たちは見た事のない花の場所も書いていてくれたので、その活動日記にアップしていたたくさんの花を、私たちがいくつ見つけられるか、ワクワクしながら楽しみに出かけてきた。
里ふるヴィレッジTENGUを目的地にナビを入れると、ルート案内された道は昨年と違う道だった。前回は国道439号線から県道304号線を走ったが、今回はさらに西の道を案内され、最初から『おかしいな~こんな道だったかな』と言いながらもクネクネと曲がった道を高度を上げていくと突然目の前の景色が広がった。
稜線上に東西に広がる四国カルストを一望できる場所からは、目的地の里ふるヴィレッジTENGUやその東に天狗ノ森や黒滝山が見渡せた。

里ふるヴィレッジTENGUの駐車場には、まだ9時過ぎだというのに結構車が停まっていた。さすがお盆という事もあって県外ナンバーの車も多く、キャンプ場で過ごして片づけをする家族連れの姿も見られた。

そのキャンプ場のコテージの間を通って天狗ノ森へと登って行く。キャンプ場を抜けると登山道になり、九十九折れの道が続いていく。今日最初に目に入ったのは黄色くまぶしく輝く小さなダイコンソウだった。


道に刈られたあとの枯れた笹の葉が足に絡んでくる。樹林帯の中なのでさほど暑くはないが、それでも額に汗が流れ出る。ダイコンソウと同じようにキンミズヒキの黄色い色が目に付いた。独特な形をしたヤマホトトギスは、前回皿ケ嶺で常連のおじいさんに教えてもらって、ヤマジノホトトギスと違うのを初めて知った花音痴の二人だった。



デッキになった展望台はすでに周りが木々に囲まれて見晴らしはなく、そこから少し上に登り横道に入った場所からは、里ふるヴィレッジTENGU越しの山肌に白い石灰岩が点在する天狗高原が見渡せた。

展望所から少し歩くと尾根筋の道になる。道の北側からは涼しい風が吹き上げてくる。道標の下に『瀬戸見の森』と書かれた看板がかっていたが二人で『まさかここから瀬戸内海が見えるんだろうか?』と言いながら歩いて行く。
奥様はアカリプタさんが載せていた花の写真を、昨日夜に絵に書いて、その名前をも書いた紙を持ってきていた。花を見つけるたびにその絵と照らし合わせて、『一つ目、二つ目』とチェックしながら歩いている。

ナガバナノコウヤボウキ

ミヤマヤブタバコ

昨年もこの辺りで見たツクシクサボタンは、愛媛県の絶滅危惧1B類に分類されているらしいが、紫色したビロードのような肌にクルリンとカールした花先が可愛らしい。




ヤマホトトギスは見るたびに。何故か屋島の山上で売られていたイイダコのおでんを思い出す。


山頂手前で一ヵ所南側の眺望が広がる展望岩がある。そこからは幾重にも重なりあい南に太平洋まで延々と続く峰々が見渡せた。

山頂では奥様が紙に書いた花の絵を見ながらウロウロと花探し。その間私はコオノユリやシコクハンショウズル、ピンク色のツクシクサボタンを見つけて『こっちですよ!』と奥様に教えてあげる。




山頂の少し東からは平らに削り取られた石灰石鉱山の鳥形山とこれから行く黒滝山が見える。

天狗ノ森からは緩やかな坂道をどんどん下って行く。道には石灰岩の頭が露出し、昨日降ったのか少し緩んだ土が滑りやすい。林床が笹になり花も咲いていないと思って、先ほどまでの目を皿のようにして、右に左にと下に目をやりながら歩いてきたのは打って変わって、真っすぐ前を見ながらスピードを上げていく。


天狗ノ森と黒滝山との鞍部近くになった場所は姫百合平となっていたが、少し広場にはなっていたが特別何かある場所ではなかった。ひょっとしたら名前の通りヒメユリが咲く場所なのかもしれない。

その先の最低鞍部は三差路になっていて、南にセラピーロードへの道が続いていた。ここでも奥様はウロウロと花探し。


鞍部からの道は一旦小ピークを越えて黒滝山へと続いている。
なかなか花が見つからず不満げな奥様が、後ろから私の名前を呼ぶ声がした。引き返してみるとイシヅチカラマツを見つけてニンマリしている。さっそく写真を撮りながら絵を描いた紙にチェックを入れている。

途中道に横たわる石灰岩の岩に腰掛け休憩している男性が一人。『こんにちは!』と挨拶をして通り過ぎ、さらに山頂へと歩いて行くと石灰岩の大岩が目立ち始めた。
そしてここからはシコクママコナロードとなって行く。最初は数輪だけ見つけて声をあげたが、歩いて行く程にどんどんとその数が増えて行った。




石灰岩の道を登りきると黒滝山山頂に着いた。木々に囲まれ眺望はなかったが、ちょうどお昼にはいい時間だ。適当に石灰岩の上に腰を下ろしてお昼ご飯にする。
すると先ほど下で休憩していた男性がやってきた。『お邪魔します。』と言ってその男性もお昼ご飯にザックの中を広げ始めた。


高知の人らしい(聞いてはいないが方言で分かる)男性と花談義。そのうちにアカリプタさんの話をすると『私も時々山で会います』と言ってご存じの様だった。
奥様はYAMAPでフォローしているという男性は、花の写真を多くアップしているので、奥様は以前からチェックしていたようだ。
先に食べ終え食事中だったその男性に断りを入れて二人の写真を撮ってもらい、先に山頂を出発する。

黒滝山からは一旦東に下って行くとセラピーロードの分岐になる。分岐では四人の男女がベンチに腰掛けお昼ご飯を食べていた。軽く挨拶をして西に向かって歩いて行く。

トチバナニンジン

自然林の中をなだらかな遊歩道が続いている。所々で咲いている花を二人で写しながら歩いて行く。前回皿ケ嶺で見たギンバイソウも意外とたくさん咲いていた。



所々で稜線の縦走路への分岐と交わる。先ほどの姫百合平の三差路から、ここへ下りてこられるようだ。
その先で道の脇に何故か塩ビのパイプに蛇口が付いていたので、捻ってみるも1・2摘雫が落ちてきた程度だった。


先ほどの分岐からは少し登り気味の道になる。それでもさほどの勾配でもないので、息が切れない程度にスピードを上げていく。
この辺りからはダイコンソウとヒヨドリバナがあちらこちらに咲いていた。



昨年天狗ノ森から下ってきた分岐の横には百合の花。
この先にあるキレンゲショウマは道の南側に一輪だけ何とか咲いていたが、あとは蕾すらほとんどついていない状態だった。



駐車場に近づいてくるとセラピーロードの名の通り、道の上にはヒノキのチップが敷き詰められていて、その木の香りだけでも癒される。
道の脇には束になったヤマホトトギスが次々と現れる。黒滝山の手前はシコクママコナロードだったが、ここではまさにヤマホトトギスロードだ。



セラピーロードの入り口で奥様は、描いた絵の中の花が何種類かはまだ見つからずにいてキョロキョロとまだ周りを探していたが、私にはハガクレツリフネくらいしか見つけられなかった。ほとんどの花を見つけることはできたけれど、オオヤマサギソウを見つけられなかったのが残念だった。
到着した駐車場はほぼ満車状態で、それでも次から次と車が入ってきた。そのほとんどが県外ナンバーの観光客だった。

装備を降ろして登山靴を履き替えて、駐車場をあとに四国カルストの中を奥様と、ソフトクリームを食べようと姫鶴荘へと車を走らせるが、対向車との離合に時間がかかって渋滞。姫鶴荘の前では路肩にも車を停めた列ができていて、ソフトクリームは諦めた。
そのまま地芳峠から北に県道36号線へと下って行くが、こちらも離合で度々停まって予想していた以上にかなりの時間がかかった。


何とか県道から国道にでて目指したのは柞原にある雲の上の図書館。本好きの奥様と前回初めて来てとても気に入った場所だった。
隈研吾の設計の図書館は柞原産の木材を使い、入り口靴を脱いで起伏のある木の床をはだしで歩く、とても気持ちのいい空間になっている。
展示方法も蔵書も一般的な図書館とは一味も二味も違う図書館だった。しばらく床の上に腰を下ろして気に入った本をめくってみると、ゆっくりと時間が流れていった。




図書館を出て梼原の街を離れて国道197号線を須崎市に向かって走っていると。道の駅ゆすはらを過ぎた場所にソフトクリームのサインが見えた。その奥にはカンズヒュッテとシェードに描いたお店が見えた。
さっそく駐車場に車を停めて、コーヒー味のソフトクリームを買い求めていただくと、甘すぎずあっさりとした今まで食べた事のない味でとても美味しかった。


自宅から往復で450km。先月出かけた大山よりも遠い四国カルストだったが、初めて見る花、お目当ての花をたくさん見られて奥様も大満足の一日だった。

今日のお目当ての花
ヤマジオウは茎が延びずに葉の上を這っていた。マネキグサはヤマジオウと比べて花の色が濃かった。
ヤマジオウ

双子のヤマジオウ



双子のマネキグサ


他に見かけた花たち
