
先月、皿ケ嶺でクルリンとカールしたアクシバを見てみたいと出かけてきた。その時に西の奥様が会う人会う人に「どこに咲いているか知りませんか?」と尋ねて回っていた。最終的には「皿ケ嶺は私の庭のようなもの」と仰るおじいさんに、教えてもらった場所に咲いているアクシバを見ることができた。
その方と別に、竜神平で休憩していた女性にも大体の場所を教えてもらったのだが、その女性たちが別れ際に、『花が呼んでくれるわよ!』と笑顔で話してくれた。
今回はそんな可愛い花シリーズで、甫喜ケ峰でミヤマウズラを探しに出かけてきたが、果たして可愛いオバケが呼んでくれるだろうか?
ただ予定していた西の奥様が急に都合が悪くなったので、前日の夜に我が家の奥さんを軽く誘ってみたら、予想以上に食いついてきて、『洗濯済まさなきゃ~』と言いながらワチャワチャとし始めた。
甫喜ケ峰なら標高差もさほどなく、もちろん森林公園なので道も整備されている。普段山歩きしないうちの奥様でも問題なく歩けるだろうし、前回天狗ノ森でお会いした山さんが直近で、YAMAPの活動日記にミヤマウズラの他にも沢山の花をアップしていたのを見ていたので、花好きの奥さんにはぴったりの甫喜ケ峰を歩いてみることにしたのだった。
その天狗ノ森の時にはアカリプタさんに可愛いヤマジオウの咲いている場所を聞いたのだが、今回は山さんに花の咲いている場所を聞いてみると、色々な花の咲いている場所を詳しく教えてくれたので、準備万端、それでは私たちにいくつ花を見つけられるか?
自宅から直ぐ近くのインターから高速道路を走り、大豊で降りると空の様子が変わってきた。天気予報を確認してみるとどうも10時くらいから雨の予報になっていた。
甫喜ケ峰森林公園の駐車場に着くと一台だけ車が停まっていて、身支度を終えた登山服姿のご夫婦が歩いて行くところだった。
前回は水源の森からスタートして周回したが、今回は逆回りに花木の森から歩いて行くことにした。国道32号線で見た空の色よりさらにどんよりした雲の色になってきた。

管理棟の横にアキノタムラソウがさっそくのお出迎え。その横を通って九十九折れの道を登って行く。雨で奥さんを濡らすわけにはいかないので、ザックにビニール傘をぶら下げて歩いて行く。

アセビの森へと続くこのコースには樹林帯の中の遊歩道から林道に出るたびに東屋の休憩所がある。樹林帯から林道に出て最初の休憩所に着くと、さっそく雨が降り始めた。



『ここから林道を跨いで樹林帯の中に入れば、そんなに雨に当たる事はないと思うよ』と奥さんに話をして、そのままさらに登って行く。




しばらく登って行くとまた林道に出たが雨はほぼ止んできた。そしてその上の樹林帯を抜けるとアセビの森に着いた。


アセビの森は霧に包まれ、展望テラスからも真っ白な景色が見えるだけだった。テラスのベンチも濡れたままで腰を下ろせないので、北側の屋根のある展望台に登ってみる。


展望台でしばらくすると、その霧がどんどん流れて晴れてきた。南側には南国市から香美市の平野部が広がり、手前の峰々からは降雨の後の蒸気が立ち上っていた。



アセビの森から東に下るときれいなトイレ。そしてその先が記念の森広場になる。その記念の森広場の北側では、すっかり晴れた空と山々が見渡せた。


広場の中央を通って甫喜ケ峰山頂へと歩いて行く。南からはまだガスが流れ込み時折山頂の頭を隠している。


山頂への階段も意外とスムーズに登って行く奥さん。これなら次に予定している遠征の山も大丈夫だと思い始めた。歩行距離は今回とほぼ変わらず、累積標高差も150mほど高い程度、あとは3000mを越える標高に身体が対応できるかどうかだけだ。
(ほとんどの高さまでバスで移動した後、山頂までは1時間30分の行程)
その遠征の事を初めて話をしたときは難色を示していたが、ここのところ少しづつ気持ちが変わってきたようだ。すかさず『全然登りも大丈夫やん!』と言うと『うん、そんなにしんどくないわ』と。
これで自信がついたら問題なく決行できる。ヘッヘッヘ~~。


途中で曲がるヶ所を間違えたが、少し引き返して山頂に着いた。二等三角点 平山 610.99m。
『こんな場所が山頂・・・?』と奥さんが仰った。奥さんにとっての山頂は遮るものもない360度見晴らしのいい場所のイメージがあったらしい。



三角点から少し下がるとまた林道に出た。二年前に来た時は風力発電の風車が二基立っていたが、今は影も形もなかった。
ここからは林道を記念の森広場まで下って行く。広場の西側の車道沿いの斜面にはテッポウユリ?が花盛り。


そのまま林道を下って途中から樹林帯の中の遊歩道へと入って行く。
すると下から見慣れた服装の男性が登ってきた。下の足元を見ていた顔が上を向いた瞬間『あっアカリプタさん!』
前回の天狗ノ森では可愛いオバケのヤマジオウの場所を教えてもらったのだが、『今日はミヤマウズラは?』と聞かれて『まだ見つけられていないんです』と答えた。すると『コウロギランは一輪しか見られなかった』と仰った。
ヌ・ヌ・ヌ、アカリプタさんが一輪だけだと私には見つけられないかも・・・・そう思いながらも詳しく場所も聞かずに別れた。



それらしい場所で探すもコオロギランを見ることもできず、『花が呼んでくれるわよ』と言われた言葉が頭をよぎった。結局今回は目当ての花は私を呼んでくれなかっ・・・・と思いながら最後の水源の森へと下って行くと、代わりにキノコがあちらこちらで出迎えてくれた。




水源の森の中にどこから流れてくるのだろうか水の流れが続いている。
足もとは少し荒れ気味だったが、それでも奥さんはヒョイヒョイと付いてきた。

駐車場まで戻り、山さんに教えてもらったミヤマウズラが咲いているという場所まで歩いたが、結局ここでも花は呼んでくれなかった。私的にはコウロギランよりは可愛いオバケのミヤマウズラを見たかったというより、奥さんに見せたかったのに残念だ。
その場所から引き返して花木の森へとキツネノカミソリを探しに再度歩いて行くと、薄鬱蒼とした薄暗い森の中で、木々の間から差し込む日差しのスポットライトを浴びた妖艶な雰囲気でキツネノカミソリが咲いていた。



お目当ての花を見ることはできなかったが、それでも奥さんにとっては初めて見る花ばかりで、甫喜ケ峰森林公園はけっこう満足いただけたようだった。
今日の甫喜ケ峰でみた花たち

予定ではここでカップラーメンを食べようと思っていたが、やはり歩いた後は暑くてその気にならず、車で移動して食事のできる店をGooglMapde探すと、大豊のひばり食堂のはす向かいに昭和レトロな食堂が目に付いた。
店に入るとお昼時なのにお客はいなくて、壁に張ったメニューを見ながら二人でオムライスを注文して食べた。
その後は319号線を北に走って祖谷口から東に。以前も奥さんと出かけた『ハレとケ珈琲』でアイスコーヒーを頂く。
雑味がなくスッキリとしたアイスコーヒー。奥さんはミルクを入れたかったらしいが、ミルクはおいていないとの事。まぁそのままブラックでも美味しくいただけたが、そのうちに焙煎をしているのだろうかコーヒー豆の焼けた匂いが漂ってきた。と思ったら熱中して読んでいた本から顔を上げると、室内は火事かと思うくらい煙が充満しているではないですか。焙煎をしている男性は悪びることもなく断りを入れるわけでもなく、黙々と作業をしていた。あまりの煙たさでせっかくの美味しいコーヒーが台無しになった。




ハレとケ珈琲からは一旦県道まで降りて松尾川温泉に向かう途中から林道を走って行く。黒沢湿原の駐車場に車を停めて木道を歩いて行くと、先月歩いた時は全く姿が見られなかった小さなサギソウが、木道の両側で羽を広げてゆらゆらと風に揺れていた。



ホザキノミミグサ

サワヒヨドリ

お昼を過ぎた時間だと湿原の北側は木々の日陰になり、湿原を吹き抜けていく風が心地良い。おそらく奥さんは何十年ぶりかの黒沢湿原。


オオイヌハナヒゲ

アギナシ

コオリユリ

湿原の水をせき止め造った池にはスイレンが咲いているかと思ったが、もう時期的には遅かったようで、固い蕾が何輪か見えるだけだった。


ヒメガマ

西の奥様と計画していたコースをうちの奥さんと辿ってみると、意外とウケが良くて帰りの車中もご機嫌の様子だった。
これで次の遠征の話は間違いなく同意が得られるだろうと確信しながら、奥さんは花めぐりに、私は遠征への下心が成功したのに満足しながらの帰り道だった。
