
先週のうちの奥さんとの花めぐりの甫喜ケ峰森林公園から、今日は西の奥様と横倉山での花めぐり。牧野博士の研究のフィールドとなった山だけあって、四季を通してたくさんのそして珍しい花が咲いている横倉山。今のこの時期といえばもちろんコオロギラン。そして先週会えなかった可愛いオバケのミヤマウズラの他にも・・・・。
西の奥様と待ち合わせした豊浜のSAでWOCのメンバーとバッタリ遭遇。今日のWOCは観光部で、メジカの新子を久礼の大正市場まで食べに行くそうだ。WOCのメンバーとは軽く挨拶を交わして一路越智町へと車を走らせる。
前回は第一駐車場に車を停めて鎖場を登って行ったが、今日は昼から雨予報であまり時間がなくて第三駐車場に駐車する。
すると車のドアを開けた途端に小さな悪魔が何匹も飛び込んできた。慌ててドアを閉めたが数匹が車内に残った。少し場所を変えたらと思って車を移動してみるも状況は変わらず、窓の外ではフロントガラスやサイドガラスに張り付き、他にも十匹以上が車の周りに群がっていた。
更に場所を変えてエンジンを止めると少しマシになったので、その隙をついて身支度して車から離れる。
すでに山から下りてきた男性がひとり帰り支度をしていたので声をかけると、愛知から来たという男性もお目当てはコロギランだという。一応咲いている場所を聞いてみると自身が見た場所を親切にも教えてくれた。そして最後に『アブがいっぱいいますよ』とも忠告してくれた。

第三駐車場からの取り付きには安徳天皇を祭神とする横倉宮の立派な鳥居。その鳥居を潜ると丸太の蹴込の階段が続いている。駐車場と同じように身体の周りでブンブンと羽音がまとわりついてきている。


鳥居からは10分もかからずに杉原神社に着いた。樹齢500~600年の杉の巨木の立つ鬱蒼とした中に有り、本殿に施された彫刻はこんな山中にあって目を見張るものがある。



拝殿の前の境内にはキンミズヒキがニョキニョキとそこらじゅうで咲いていた。
その横の登山道には鎖で囲まれた場所が見えた。近づいて見てみるとコオロギランの咲く場所で立ち入り禁止となっていた。鎖の外から目を凝らして見てみるが、あの小さな小さなコオロギランは見つけられるはずもなかった。



この辺りは年間通しての降雨が多いのか、道の脇のほとんどの木々は苔生している。そのせいかこの暑さが続く中でもたくさんのキノコが生えていた。



上ノ宮の横倉宮の鳥居は銅板が貼られ、年月が経って緑青の青緑色がとても厳かな雰囲気を醸し出していた。その鳥居を潜って階段を登って行く。深い森の中日差しが当たる事はないが、湿気のせいなのか流れる汗が半端ない。何度も何度も額の汗を拭いながら登って行く。


杉原神社からは20分ほどで横倉宮に着いた。。明治30年に建て替えられた社殿は130年近く経っているが、陽当たりや風通しのせいなのか、同じころに建て替えられた杉原神社の苔の付いた社殿に比べると随分と新しく見えた。

拝殿で手を合わせた後、その板塀の横から『馬鹿試し』へと歩いて行く。牧野博士がこの場所で発見したことで命名されたヨゴクラノキの脇を通ってさらにその先へ。
ただ途中から前回通った場所と雰囲気が違って、けっこう危なげな岩を登って行くと馬鹿試しの下の岩に飛び出た。石灰岩の白い岩肌の奥に、白い霧が立ち上って幻想的な景色が見えた。



馬鹿だめしとは危険な突端に足を運ぶものは馬鹿とされ、馬鹿かどうか試す意味からその名がついたそうだが、奥様はそんな馬鹿だめしの下からニコニコしながら登って来ている。


前回はこの場所の後ろから上がってきた。その馬鹿だめしの突端に立つ西の奥様。


石灰岩の溶解によって岩の表面がガタガタに波打っていたり、深い溝になったりしていて、岩の上では気を付けて足を踏み出さないと、踏み外して本当に馬鹿をみる。

社殿の板塀に沿って拝殿の前まで戻って、西に向かって下って行く。交差点になった場所からさらに下って行くと、源氏の襲来に備えて安徳天皇の避難場所になっていたと云う平家穴がある。その手前には安徳天皇の従臣八十数名を祭ったとされる岩屋神社の祠があった。傾きかけた小さな祠だがその肘木には立派な龍の彫刻が施されていた。



その岩屋神社のさらに下が、馬鹿だめしの断崖の付け根にある平家穴。正面から見ると穴の入り口が分らないようになっていて、明治の初年頃まで刀剣・槍や銅鏡などがたくさん残っていたそうだ。


平家穴の中から立ち上る冷気で少し涼んだあと急坂を登って行き、交差点からさらに西へと歩いて行くと東屋があった。
それにしても相変わらずここまでずっとアブにまとわりつかれて、身体のまわりで何匹もの羽音がしている。場所場所にいるのだろうか、それとも同じアブがずっと付いてきているのだろうか?
帽子やタオルで叩くとしばらくはその羽音が鳴りやむが、静かになったと思ったら腕や肩に留まってチクリと刺す。たまらず何度も『痛い!』と声をあげる。
(あとで調べてみるとアブは刺すのではなくて、上顎下顎で噛むそうだ)



神聖な安徳天皇御陵参考地の石段でもパタパタと帽子で叩く奥様。思わず自分の頭も叩いている。苔むした不整形の石段の最上部に、御陵特有の門構えと天皇家所縁の形をした神明鳥居が見える。


石柱で二重に囲まれた御陵の入り口の門扉を見て、香川の五色台にある崇徳天皇の白峰陵にも同じような十字の柄の門扉になっていたのを思い出した。



安徳天皇御陵から尾根筋を辿ってさらに西に行くと、窪地になった場所に『空池』と名付けられた緑の日本庭園が現れる。石灰岩が苔で覆われ周りは緑一色の世界。いまにも『もののけ姫』の森の精霊のこだまが出てきそうな雰囲気だ。


トチバナニンジン

空池からさらに進んで行くと住吉神社がある。前回は鎖がある岩場の先の神社まで降りたが、今日はすでに天気が怪しくなってきて、頭の上でゴロゴロと音もし始めたので、雨の降らないうちにとそのまま引き返す。

一旦横倉宮まで戻り、そこから今度は三角点のある尾根筋へと歩いて行く。
尾根筋には色とりどりの、そしてけっこうな大きさのキノコがそこらじゅうに生えていた。見るからに怪しげな色をしたキノコもあるが、このきのこはどう見ても巨大なシイタケに見える。食べれるのかな・・・・?


尾根筋は地味にアップダウンを繰り返す。今日は距離的にも標高差でもさほど歩いていないのに、この登坂が意外と堪える。



この尾根筋でも小さな悪魔はまとわりついてきた。叩いても叩いても次から次と襲い掛かってくる。キノコや花を写そうと立ち止まると直ぐに身体に留まってチクリと刺してくるので、じっくりと構えて写真を撮れない。
三角点でもハエたたきならぬアブ叩きの帽子を脱いだままで、身体の周りを叩きながら写真を撮る。

三角点から石灰岩の尾根を過ぎた分岐から、駐車場へと下って行く。これがなかなかの急坂で最近あまり調子のよくなかった膝が悲鳴をあげ始めた。


見上げても頂部が見えない巨大な屏風岩の足元を通り、さらに下って行くと夫婦杉の巨木が立つ場所に出た。YAMAPの地図では十字路になっているが、実際はズレていて、少し上手に石段を登って行くと駐車場への分岐となっていた。一旦登って分岐から分岐を折れてまた下って行く。


一旦鉄製の手すりのある参道に出るが、第三駐車場には左に少し登らなければならないのを、右に下ってしまい、第三駐車場の少し下の道に降りてしまった。


道に出て少し舗装路を登って行くと第三駐車場に着いた。駐車場では相変わらず小さな悪魔が飛び交っていたので、汗をたっぷり掻いた服のまま車に乗り込み、第一駐車場のトイレで着替えることにした。
そして車に乗り込んだ途端に雨が降り始め、第一駐車場に着くころにはバケツをひっくり返したようなどしゃ降りの雨になった。きれいで清潔なトイレの中で、汗でTシャツから短パンまでしっかり濡れていたので、素っ裸になって着替える。
予定ではここから下がった織田公園の東屋でお昼ご飯にと思っていたが、この土砂降りの中ではということで、着替えを済ましてどこかの食堂でお昼にすることにした。
ここから一番近いのは味噌カツラーメンで有名な自由軒。スマホで調べて着ると、営業時間は14時30分となっていたので急いで車を走らせてみると『オーダーストップ14時』と書いた張り紙が、入り口の引き戸に貼ってあり営業終了となっていた。
仕方がないのでお腹が鳴るのを我慢して、以前にも食事をしたことのある佐川町加茂のまる美食堂でお昼ご飯にすることに。途中佐川町のサンシャイン佐川で奥様がカツオのたたきを買い求めた。
まる美食堂に着き中に入ると四人組の注文を取ったあと店主が『すみません、ご飯が切れそうなのでご飯もんができないんです』と。『大丈夫ですよ中華そばで』と答えて注文すると、少し待って出てきたのが、中華そばと焼き飯。『残りのご飯なんでサービスです』と店主。中華そばは麺も少し甘めの出汁も昔ながらの中華そば。焼き飯の小さく四角く切られた脂ののった豚肉がアクセントになって反対に塩気があって美味しかった。
時間はもう15時30分前。『さすがに晩ご飯はたべられないかも』と言いながらも美味しく完食。帰り際代金を払うと『これどうぞ!』と店主から栄養ドリンクを手渡された。お金を払いながら、前回来た時にいたおばあちゃんの様子を聞くと、今日はデイサービスに行っているそうで今もお元気だそうだ。


『ここまでサービスして大丈夫かな~』と二人で要らぬ心配しながらも、店主の暖かい気持ちにホッコリしてお店をあとにして、伊野町から高速に乗り込むと、車のワイパーが効かないほどの雨がまた降り始めた。『さすが高知やね~』と言いながら、大豊を過ぎ川之江で瀬戸内になるとすっかり空は青空だった。
先週に続いてミヤマウズラには今日もフラれてしまったが、それでも他に珍しい花たちを見ることが出来て、お腹もいっぱいになって西の奥様は満足したご様子だった。

今日の山中では途中で何度か大声が遠くから聞こえてきた。ある場所でまた大声がするのでその方向に行ってみると三人組が熱心に写真を撮っていた。奥様が近寄って行くと今まで散々大きな声でしゃべっていたのが止んで。奥様が『なにが咲いているんですか』と尋ねると『コオロギラン!』とそっけない返事。そのあとも『ミヤマウズラはどこに咲いているか知りませんか』と尋ねたが『もう終わっているやろ』と、いかにもめんどくさそうな返事が返ってきた。さも早くあっち行けと言わんばかりの態度に奥様と二人で不愉快な気持ちになりながらその場所を離れた。
まぁ大切なコオロギランの咲いている場所を知られたくないと思ったのか、ただ花が咲いている目の前で尋ねているのに・・・・一緒に花を愛でる気持ちにはならないのだろうか?
違う場所で見つけたコウロギランはやっぱり小さすぎてピントがなかなか合わなかった。
今日出会った花たち
コオロギラン


ヒメヤブラン

ナツエビネ

その他の花たち

今日のキノコ
ウスキキヌガサダケ


