
2年ほど前から冬のシーズンに始めた、県内の東西の岬の灯台の間を里山で線を繋ぐという企画も残すところ4回で終わりそうだ。今シーズンの手始めに今回は、壇特山から東女体山を繋げる予定だったが、このルートはとにかく眺望がほとんどなく、ただただ線を繋げる為のあまり面白みのない道だった。
そうこうしてるうちに水曜日が、曇り時々晴れから晴れマークに天気予報が変わった。それじゃせっかくなら見晴らしのいい山にという事で、昨年からずっと考えていた中津峰山に予定を変更。今年に入ってアカリプタさんが歩いていた金谷からの周回コースを辿る事にした。
中津峰山に登ったのはもう15年近くも前、その時は五滝の方から往復したので今回のコースは初めてとなる。しかも周回コースだと平石山と多家良山を含めて3つのYAMAPポイントをゲット出来るとあって、西の奥様といそいそと出かけて来た。
徳島南部道路が出来てからは市内を通らずに行けるので、自宅からは1時間強で金谷の駐車場に着いた。駐車場には既に数台の車が停まっていた。

駐車場の手前の道の脇に登山口。いきなりの急登を登って行くと畑地の跡だろうか道の脇には石積みが残っていた。



しばらく登って行くと前を行く西の奥様が『大きな松葉!』と仰るので、足元を見てみるとたしかに普段見る松葉の何倍もの長さの松葉が落ちていて、その周りにはそれこそ数倍大きな大きな松ぼっくりがいくつも転がっていた。
『奥様にお土産にしたら?』と西の奥様が仰るのでビニール袋に何個かを詰めてザックに入れる。すると下からソロの女性が登って来たので、『大きな松ぼっくりですね』と声をかけると、『私も持って帰るわよ』と応えてくれた。(その松ぼっくりの写真を取り忘れた)

道は松葉の道からシダの道に変わる。北から続く尾根道は日陰で、時折日差しが差し込むがまだまだ肌寒い。


すると急に明るくなったかと思うと目の前に眺望が広がった。ここから続く尾根の奥に見えるのが、おそらく平石山と中津峰山。
『あんなに遠くに見えるのに歩いて行けるなんて不思議ね』と奥様。道はしばらく若々しい緑の色のシダを掻き分けて続いている。


尾根の途中に三角点 四等三角点 池谷 141.74m

三角点を過ぎて今度は竹林の脇の道になったかと思うとまたシダの道。その道の陽当たりが良くなったら東側に、紀伊水道と日峯山が見えた。



その先では露岩が現れ急登を登って行くと幅の広い道に出た。ここでは左に折れて杉林の中の道を歩いて行く。道の路面は地道ではなく舗装がされている。周りの雰囲気から林道でもなく作業道の様な感じもしない。



二つの大岩の横を抜けると三体のお地蔵さんが並んでいた。その内の一番手前のお地蔵さんは首から上が不自然なので、よ~く見てみると首の付け根に黒いボンドらしいものが付いていた。首から先が落ちてしまったのを誰かが修復したのだろうか?


一番大きなお地蔵さんには『右津峯道 二十丁』と彫られているけれど、阿南の津峯神社への道なのか?それにしては二十丁では距離が合わない。

お地蔵さんから先で道は下り気味になり、奥様はそのまま歩いて行こうとするが、道の右脇に小さな道札が見えたので奥様を呼び止めた。登山道は幅の広い林道?から尾根筋へと続いていた。
途中にあった道標は、初めて来て土地勘が無ければ少々分かりづらい。帰ってから地形図を見てみるとどうやら平石山から朝立神社への道が続いているのが分った。

道標を過ぎるとまた目の前が明るくなって鉄塔広場に出た。広場からは北に向かって眺望が広がり、電波塔と峰続きでホテルのある眉山がすぐに同定できた。


鉄塔広場で標高450mほど。『山頂までまだ300mもあるわね』と奥様。『そうすると屋島くらいですね』と私。
道はしだいにまた斜度を増してきた。落ち葉や松葉が積もった滑りやすい道が続いていく。


途中にあった石柱には初めて見る『公山』と彫られていた。

急登にあえぎながら登って行くと、さっき見た道標と同じ緑の板には、平石山と中津峰山への時間が書かれていた。YAMAPのコースタイムよりは若干短めに書かれているが、平石山から中津峰山へと歩くと12時は過ぎるので、『いつもより少し遅くなるけどお昼は中津峰山の山頂で摂る事にします。』と奥様に告げる。
一応そう奥様に言っておかないと、途中で『お腹が空いた~』と騒ぎ始めるといけないので・・・・。

道標からひと登りすると尾根に出た。ここから左に行くと平石山、右に行くとここからも中津峰山に行けるようだ。分岐から平石山へは一旦下って行く。道には地籍調査のピンクやオレンジのテープがそこらじゅうの木の枝に巻かれて、そのテープが尾根に吹き上げてくる風に吹かれてゆらゆら揺れていた。

木々に囲まれた平石山は眺望はなかったが、山名標の足元に徳島のや山ではよく見かける『ヤッホー地蔵』が置かれていた。


平石山から折り返し分岐を過ぎて中津峰山へと登って行くと、これで前回初めて見た真新しい『地積図根三角点』が設けられていた。
周りの木々が刈られて北側には徳島市の市街地が見渡せた。



図根三角点からは尾根沿いに地籍調査の杭と目印のテープが続いていく。先ほどの図根三角点やこの杭を見ると、つい最近地籍調査が行われているようだった。

途中の露岩からは今度は東から南の眺望が広がっていた。
東は小松島市の南部の田園地帯、南は勝浦町の道の駅ひなの里があるのが分る。



空は雲一つない空と言いたかったが、ひとつだけぽかりと綿菓子のような雲が、気持ちよさそうに浮かんでいた。

平石山で行動食を口にしようかどうしようかと迷いながらも、そのまま歩いて来たのが良くなかったのか、中津峰山山頂手前のだらだらと続く登坂で、シャリバテで足が動かなくなった。早くお昼ご飯にしたい奥様はすごいスピードでどんどん先を歩いている。

フウフウ~ハアハア言いながら小股で少しづつでも登って行くと、その内に話声が道の上の方から聞こえて来た。
すると見覚えのある石垣が現れた。石垣の奥には天津神社の拝殿が見える。お腹を減らした奥様には待ってもらったが、これでやっとお昼ご飯にできる。


拝殿で手を合わせてその先の石垣を潜ると、下のベンチで数人の人が休んでいた。
スタート直後に松ぼっくりを拾っていた時に会った女性も座っていたので、挨拶をすると、軽く会釈をしてくれた。


ベンチの奥にはその松ぼっくりで作った可愛らしいオブジェが仲良く並んで吊るされていた。人工物ではなく山にある自然なもので作っているのがとても感じがいい。


東屋の椅子に腰かけて待ちに待ったお昼ご飯にする。後ろにあるベンチで食事を終えた年配のご夫婦に話しかけられた。
『水曜日にはこうして皆さんが集まって来るので、私たちも水曜日に合わせて登って来るの』と。
『どちらから登って来られたの?』と聞かれたので、『金谷からです。』と答えると、『そっちのコースはキツイって皆さん仰ってますね』と話してくれた。よく来ているようだが金谷からは登ってきたことがない様だった。
さらに話をしていると毎回、如意輪寺に車を置いて登っているそうだ。そう話してご夫婦は柔らかい口調で立ち去る間際まで話しかけてくれた。
お昼ご飯を終えて、山名標の前で写真を撮って下山開始。


しばらくは整備された四国のみちを下って行く。途中にある前回登ってきた五滝への分岐の道標も、手作りで小さく可愛らしい。この山はどこかの山のように仰々しい道標や、山頂での山名を描いた派手な写真を置いている訳でなく、遠慮気味に作られているのがいい感じだ。


そんなことを思いながら杉林の中の道を抜けると舗装路に出た。ここがいやしの道登山口になるようだ。ここからしばらく舗装路歩き。道の脇に電波塔と共同アンテナ?の立つ横を通って行くと、背の高い杉の林の中を5mほど麓に向かって伐採された防火帯?らしき場所に着いた。


ただ防火帯にしては幅が狭すぎて、山火事になったら両側の背の高い杉の木からの延焼を防ぐのは難しいだろうから、何か別の意図があるのだろうか。

防火帯?の手前からまた杉林の中の道になる。杉林から自然林の道になると道の脇が鉄塔広場になった。
ここからは遠く淡路島との間の大鳴門橋や、手前に市内の南西にある、徳島動物園の観覧車も見えた。


鉄塔広場をあとにすると直ぐにまた里山らしいシダの道になる。
この辺りで三つ目の山となるはずだった多家良山を随分手前で見逃していたのに気づく。

途中の道標札も自然な感じでいいなあ~と思っていたら、底のへこんだ赤いヤカンが置いていた。さっきの札には『いやしの道』と書いてあったが、確かこの道は『ヤカンコース』と呼ばれているらしかった。


最後に木の枝にぶら下げられたヤカンを見て奥様が『こんなヤカンあったわよね』と。たしかに我が家でもこんな絵柄のヤカンがあったような気がする。

ぶら下がったヤカンを過ぎると、朝登山口近くで見た石積みが長くしかも何段も積まれて続いていた。畑の跡には違いないが何の畑だったんだろうか?

そんな石垣を眺めながら下って行くと金谷の里の道に出た。
登山口には大きな丸太で道標が立てられ『ヤカンコース』と書かれていた。


先週は5つの山を登ったけれど、その一つひとつは200m前後の山だった。今日は年明け最初で山登りしたと実感できた山行だった。
香川の山だと2~300mの里山で常連さんたちが、腰を下ろして談笑している姿は見かけることはあるが、700m以上登って集まっている山なんて恐らくない。高山のある徳島の人にとってはそれでも里山なんだろうか?と感心しながら家路へと向かった。

今回のYAMAPdesu.





























































































































































































































































































































