
だれかのインスタグラムを見たのか突然『雲の上の図書館って知っとん?』と奥さんが聞いてきた。
『うん。』と答えると、すかさず『行った事あるん?』と。
『う・うん。』と言うと、『いいね、いろんなところに行ってて』と少し嫌味ぽく返された。もちろん昨年と先月の2回言った事は口には出せなかった。
『ほんだら明日の休みに行ってみる』と言うと『遠いんちゃうん』と嬉しい癖に、素直な返事が返ってこなかった。
まぁそれじゃご機嫌取りにと出かけることにしたが、往復450km走って図書館だけではもったいないので、前回尋ねて気に入った白龍湖と先月歩いた四国カルストをセットにしてみた。
雲の上の図書館のある梼原町の手前の津野町に白龍湖はある。津野町から県道439号線を北に走ると、大きな龍のオブジェと与作狸が目入る。少し先の駐車場に車を停めて、もとは事務所のような建物の脇から入って行き『協力金のお願い』と書かれたBOXにお金を入れて奥に進んで行く。
その先の資材置き場の脇から北川の河原へと降りて行くと矢印が道順を指していた。

白龍湖の水は、四万十川から長い年月をかけて地中を流れるうちに不純物がろ過され、透き通るような透明度を持っているそうで、さらに湖底が石灰岩で構成されていることで、太陽の光が差し込むと、湖底の白っぽい岩肌に光が反射し、水中で屈折を起こすことで、青やエメラルドグリーンの色として映るそうだ。


前回は平日だったので人は疎らだったが、今日は日曜日なので駐車場は満車で、湖面に渡しているベルトコンベアーを使った橋の上も結構な人で賑わっていた。



香川ではまず見ることのできないエメラルドグリーンの水に、奥さんもスマホで動画をずっと撮っていた。その後、白龍湖の次は四国カルストへと車を走らせる。
こちらも三連休の中日という事もあって、高原に続く県道では狭い所では離合するのに苦労する。途中の天狗高原の路肩の駐車場に車を停めて、遊歩道を見晴らし台まで歩いて行くと、晩夏らしくススキの穂が風に揺れていた。


青空ではなく曇りの空がかえって良かったのか、日差しがなく暑くもなく吹く風がとても爽やかに感じる。平野部に比べるともう秋の気配を感じる、そんな風景と雰囲気だ。

ヒメヒゴタイ


遠くから見ると羊が放牧されているように見える石灰岩の露岩


テンニンソウ

遊歩道はリンクストーンの様な舗装材が敷かれていて、足にはやさしくとても歩きやすい。道の脇には色んな花が咲いていて奥さんも楽しそうだ。


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見晴台まで登ってそこから西側をのんびりと二人でぐるっと一周。ほとんど汗をかくこともなく快適な散策ができた。


姫鶴荘の周りは前回同様たくさんの車が停まり、大勢の人で賑わっていた。そんな人たちを横目に牛たちは、マイペースで草を食んでいた。



奥さんが行きたがっていた雲の上の図書館も駐車場はほぼ満車。館内ではお気に入りの本を椅子に腰かけたり、床に座ったりしながら読む姿が見られた。
図書館の中心には三段ほどのステージとその横には二階に続く階段。階段の脇は梼原から高知・四国・日本へ自然と歴史・文化を辿りながら並べられた本棚。


子供たちは椅子に座るよりは床に座る方が自然体のようだ。靴ではなく靴を脱いで館内を歩けるのもこの図書館の特徴で木の床が心地よい。



二階の本棚はいろは順に並べられていて、多彩なジャンルの中からこれ!といった本を見つけられる。私も何冊か手に取ったが、時間があれば一日でもいや何日でもいらる、そんな素敵な空間と蔵書の図書館だ。



図書館を出た後は歩いて梼原の街を散策。電柱のないメインストリートを横断して、屋根付きの神幸橋(みゆきばし)を渡って三嶋神社を参拝する。



拝殿の見事な彫刻は長州の大工の中本喜作作だそうで、たしか横倉山の杉原神社の彫刻も長州大工の作で、その当時の長州の大工の技量の高さが伺える。


神社を参拝した後は、町内のtoptimeという喫茶店で昼食。おばあちゃんとお母さんと息子さんで営業しているお店だったけれど、頼んだとんかつ定食のとんかつが、専門店レベルの美味しさだった。
お腹を満たした後は図書館の裏側まで戻ると、図書館は梼原小学校の跡地にできていたのに気づかされる。自分たちの小学校にもあった二宮金次郎像が今も残っていた。



図書館を後に、次は雲の上のギャラリーに。
ここも図書館と同様の隈研吾の作品で、何本も重ねながら、桁を乗せていく「やじろべえ型刎橋(はねばし)」は、世界でも類を見ない架構形式による唯一の建物として評価されている。
白龍湖に始まり四国カルスト、雲の上の図書館にギャラリーと、奥さんは終日スマホのカメラで写真や動画を撮ってインスタにアップしていた。それぞれのポイントで大満足のご様子で、これでしばらくは嫌味を言われずに遠慮なく山に出かけられそうだ。(作戦成功)
最後はギャラリー横の雲の上の温泉のお湯につかって帰路についた。


